雇用調整助成金を不正受給した場合の罪や罪状は?

新型コロナウイルスの感染が冬に向けて拡大しつつあります。すでに疲弊しきった日本経済、さらなる自粛が求められるのでしょうか。雇用調整助成金のコロナ特例期間も来年まで延長されることが決定されました。不況時に役立つ雇用調整助成金ですが、不正に関しても社会保険労務士という職業柄ちらほら耳にいたします。持続化給付金では6,000件以上の不正受給によるとみられる返還の申し出がニュースになりました。決して甘い誘いには惑わされずに、適正に雇用調整助成金を活用していきましょう。

不正受給の実態

不正受給は実際にどのように行われるのでしょうか?
多くの事例では、自称「経営コンサルタント」が、零細企業に不正受給をそそのかします。
オーソドックスな手順ですが、休業させていない従業員を休業させたことにして、その休業手当相当額を不正に請求させます。
現在は、コロナ禍で、政府もお金を出さないことにはバッシングを受けるため、審査がかなり甘くなっています。
毎月毎月、1人当たり15,000円×人数×休業日数の助成金が企業に支給されることとなります。
そして、その何割かが成功報酬として自称「経営コンサルタント」に支払われます。

リーマンショック、東日本大震災など、経済危機のたびに、雇用調整助成金の審査が甘くなり、「経営コンサルタント」が跋扈しました。
そして背に腹はかえられず、零細企業は不正に手を染めてしまうのです。
今回は、計画届を先に提出せず、さかのぼっての申請が可能であったため、以前にもまして不正案件が増えていると推測できます。

調査は忘れたころに

経済危機においては、政府もお金を出すことに注力します。
そして、危機がおさまったのち、本格的な調査が始まります。
実際、リーマンショック、東日本大震災の時もそうでした。
支給後、2年から3年くらいは調査し続けます。
多くの企業から、何年も前に申請した助成金に関して調査が来たとのお話を伺いました。
多くの場合は、従業員からのヒアリングによって不正が発覚します。
そのほか、労務帳簿に整合性が取れない場合などもあります。
不正が発覚した場合には全額返金、企業名公表、そして、最も悪質な案件となると、詐欺罪として刑事告発されることとなります。

まとめ

弊社は社会保険労務士法人ですので刑法の専門家ではないですが、現行法にて詐欺罪は懲役10年以下とされています。
そこまでいかなくとも、ひとたび企業名が公表されれば、このネット情報社会での企業存続は難しいといえるでしょう。
BSP社会保険労務士法人は、適正で効果的な助成金の活用をお勧めしています。
中途半端な知識で、悪質コンサルタントに踊らされることなく、上手く助成金を活用しながら、この未曽有の経済危機を乗り越えていきましょう。

雇用調整助成金の申請を含む各種助成金や補助金申請のご相談やお悩みは千代田区にございますBSP社会保険労務士法人までお気軽にお話お聞かせくださいませ。