社会保険労務士が教える就業規則の基礎知識 服務規律編

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就業規則に関して3回に分けて東京都千代田区の社会保険労務士が解説いたします。前回は、就業規則の労働条件を規定する部分を確認しました。今回は服務規律に焦点を当ててご説明いたします。就業規則の基礎知識、是非身に着けてください。

服務規律は就業規則の最重要部分です

皆様が、ゲームやスポーツを行う際に、どのような行為がペナルティの対象になるか、わからないと安心してプレイできません。
同じように、会社で働くにあたっても、どのような行為が求められているか、逆にどのような行為は禁止されているかがわからなければ、従業員も迷うばかりです。
服務規律は、会社が望まない行為をあらかじめ規定することによって、服務規律違反を抑止することが可能となります。

服務規律の種類

服務規律の種類を見てみましょう。
大きく分けると
①誠実労働義務②風紀秩序の維持③会社の信用や名誉の保持などに分類できます。

①誠実労働義務

就業規則に記載しなくとも、そもそも民法や、労働契約法において、誠実義務は規定されています。ただし、やはり具体的に記載することが好ましいでしょう。例えば「自己の職務は正確かつ迅速に処理し、常にその能率化を図るよう努めること。」「会社の命令および規則に違反または反抗し、その業務上の指示および計画を無視してはならない。」などと規定されます。

②風紀秩序の維持

ただ真面目に働くだけでなく、同僚と協調して働いてもらい、企業秩序を維持していかなければなりません。そこで、「会社の命令および規則に違反または反抗し、その業務上の指示および計画を無視してはならない。」「会社の許可なく他者に対して、私的な勧誘、寄付や拠金を募るなどの行為をしてはならない。」などとなります。

③会社の信用や名誉の保持

それでは、従業員は私生活では何を行ってもよいのでしょうか?原則、企業は従業員の私生活にまで立ち入ることはできません。ただし、私生活上の行為が、会社の評判を落とすとなれば話は別です。犯罪行為はもちろんのこと「会社や従業者の体面を傷つけ、または信用を失墜する行為をしてはならない。」ことになります。

その他の服務も重要です

その他、現在であれば、秘密保持に関すること、兼業・競業避止に関することも重要です。また、本年4月から、パワーハラスメントに関する法改正があり、就業規則の服務規律によって、パワハラの禁止を周知徹底しなければなりません。

まとめ

服務規律に関しては、とにかく網羅的に記載することが重要です。企業経営をしていると、どこに落とし穴があるかわかりません。思わぬところで足を引っ張られることがあります。その際、規定がなければ、その行為を罰することもできないことになります。
東京都千代田区のBSP社会保険労務士法人は、最新の法改正も踏まえたうえで、今までにあった労務トラブルを元に、余すところなく服務規律を充実させることで、企業様のリスク回避に努めています。
5年以上前の就業規則で、今のリスクに耐えられるかなとお思いの方がいらっしゃいましたらお気軽にご相談くださいませ。