労務相談2:解雇と助成金利用で雇用継続はどっちがいい?

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先日、雇用維持のために有用な研修の助成金をお知らせしたところ、能力不足の従業員を解雇するか、助成金をうまく活用しながら雇用継続したほうがいいのかというご質問をいただきました。東京都千代田区のBSP社会保険労務士法人、代表岸本がお答えします。本コラムをご覧の皆様も労務に関してなんでもお気軽にご質問ください。

助成金より労務重視が原則です

大原則から申し上げます。助成金よりも本来の労務を重視することをお勧めいたします。あくまでも、助成金は一時金であり、雇用は将来にわたって続くからです。
今回のご質問では、研修を行うことで能力の向上が見込まれる従業員が対象なのかと推測されます。
もちろん助成金に関係なく研修は行ってください。注意・指導や研修、配置転換などの取れる措置を怠ったうえでの解雇は不当される可能性が高いでしょう。各種措置を取ったにも関わらず、能力の向上が見込めない場合に、解雇が相当として認められます。無用なトラブルを避けるためには、退職勧奨による合意退職を目指すのが定石です。
研修を行ったうえで、一定程度、会社に貢献できる能力を得たのであれば、雇用を継続して、その従業員の強みをさらに活かすよう心がけてください。

手段としての助成金

研修をおこなえば、能力開発が見込めるだろうという際には、是非、助成金をご活用ください。「人材開発支援助成金」という助成金が研修のための助成金です。
契約社員の場合は、以前にお話ししました特別育成訓練コースが活用できます。かなりの時間のOJTの時間給が補填されます。正社員の場合でも、Off-JTに係る経費の助成がございます。また、少額ではありますが、東京都でも同様の助成金がございます。

まとめ

何度も申しますが、まず労務課題があり、その解決を講じる際の経費補助として助成金がございます。助成金受給を目的として、労務をゆがめてしまうと本末転倒です。
東京都千代田区にありますBSP社会保険労務士法人は、お客様企業の問題解決を第一に考え、そのうえで使える助成金は積極的にご提案してまいります。なるべく人件費をかけずに課題解決を進められるよう精一杯お手伝いさせていただきます。