雇用調整助成金の手続きで必要な書類や資料は何がある?

散歩中のポメラニアン

いつもお世話になっております。千代田区にございますBSP社会保険労務士事務所の岸本です。緊急事態宣言が延長され、まだまだ厳しい経営環境が続きそうです。雇用調整助成金のコロナ特例も4月末まで延長されました。かなりの件数の雇用調整助成金の申請のお手伝いをしてきましたが、制度趣旨を理解されていない企業様もまだあるようです。不正受給に巻き込まれないよう、概要をしっかり把握したうえで、必要書類などもまとめてみましょう。

雇用調整助成金の趣旨

ホームページから、雇用調整助成金の申請代行の依頼のお電話をしばしばいただきます。
助成金自体の概要はご理解しているという認識の下、受託しますが、まだまだその趣旨を理解されていない方も多いようです。
改めてとなりますが、雇用調整助成金の趣旨を記述いたします。

雇用の維持が目的です。

そもそも、雇用調整助成金の目的は雇用の維持です。始まりはオイルショックです。その後、リーマンショックや東日本大震災、今回のコロナ禍など、日本経済は何度も危機的状態を経験してきました。
その際に、企業が、整理解雇を頻繁に行えば、街は失業者であふれてしまいます。失業者の生活が奪われるだけでなく、内需が弱まり、日本経済はさらに悪化することとなります。
そのため、とにかく解雇は避けてもらい、従業員を休業させ、休業手当を支払うことが、企業に求められます。その休業手当の幾分かを補填するのが雇用調整助成金です。
ですので、退職や解雇が決まっている方は、決まった日から助成金の対象とはなりません。
この理解がないため、不正請求につながることが良く見受けられます。是非ご注意ください。

休業させて休業手当を支払うことが要件です。

上記目的からして、休業させた従業員に休業手当を支払うことが、助成金の要件であることは疑う余地もありません。
それでも、例えばシフトに入れていないパート・アルバイトまで申請対象とされる場合があります。
休ませたにも関わらず賃金を支払った人、要件は簡単です。今一度確認しましょう。

必要書類に関して

休業させたこと、そしてその間の賃金を支払ったこと、それを証明するのは出勤簿と賃金台帳ということになります。ともに、労働基準法で備え付け義務がございます。
とはいえ、零細企業の場合、無い場合も往々にしてございます。
今回のコロナ特例では、給与明細など、給与支払がわかるものであれば何でもいいとされています。この機会に法定帳簿はそろえてしまいましょう。

まとめ

本来の雇用調整助成金の申請はいろいろと書類の準備が大変です。
ただ、今回のコロナ特例では、初回に売り上げが下がったことを証明する書類、その後は賃金台帳と出勤簿のみ、様式も簡素化されかなり申請が簡易化されています。
それでも、制度の全容を知っていないと、不正受給に陥りやすいのも現実です。
申請が簡単だからこそ不正受給に陥りやすい、また、その後の調査が厳しくなされることとなります。
もう少し申し上げますと不正受給をする気など更々ないにも関わらず制度を勘違いされ結果、不正受給になってしまっている場合が多々見受けられます。
そうなっては身も蓋もございませんよね…。
もしその辺りの制度や仕組みの理解にご不安がある場合は是非、雇用調整助成金の専門家であるBSP社会保険労務士事務所までお気軽にご相談ください。
助成金だけでなく、その後の労務環境の立て直しまで適切なアドバイスをお届けいたします。