社会保険労務士が代行し助成金申請の成功報酬の料金相場

アルパカ

助成金申請のパートナーとなる社会保険労務士の選び方に関して前回記載いたしました。では料金体系はどのようになっているでしょうか?以前は都道府県社会保険労務士会により「社会保険労務士報酬」というものが定められていました。しかし、現在は社会保険労務士事務所も自由競争のなかで、各社、独自の報酬体系を定めております。助成金報酬料金の相場を確認していきましょう。

報酬不開示の事務所は避けましょう

初めて社労士を探す場合、紹介がない限り、ホームページが頼りなります。
ホームページに料金表の記載がない事務所はやはり避けるべきでしょう。
社会保険労務士業務は、クライアントの事情によって、同じ業務でも手間や必要な時間が異なります。
顧客の事情に応じてお見積もりを作成、合意の下契約を進めるのが実際ではありますが、とはいえ、ある程度の基準を定めないのは不誠実といえるでしょう。

完全成功報酬型

完全成功報酬制を謳っている社労士事務所もまれにみられます。
Web上でリスティング広告をかけている場合が多いといえます。
ただし、完全成功報酬では事務所が回らないことは想像に難くないでしょう。何らかのかたちで、別途いただくことになります。
そこでのトラブルを予防するため、社会保険労務士会では完全成功報酬を謳うのを禁止しています。
また、完全成功報酬制の場合、例えば30%から場合によっては50%などの高額の報酬を耳にいたします。これでは、会社は助成されたことにはならないことになります。

着手金+成功報酬型

最初に一定程度の着手金をもらい受け、その後助成金が入金されたのちに成功報酬をいただく報酬体系もございます。
社会保険労務士にもいますが、補助金などを担当する行政書士に多いように思われます。
雇用関係の助成金は、不正を防ぐ目的もあり、一定程度、顧客とのお付き合いが必要になります。
そのため、下記のような顧問契約と成功報酬の組み合わせが多いのでしょう。
一方、補助金の場合は、実際に購入する物や事業計画に嘘はつけませんので、着手金+成功報酬型が多いのかと思われます。

顧問料+成功報酬型

顧客との信頼関係を継続的に構築し、その企業の労務に最適な助成金をご提案して進めていくために、顧問料と成功報酬というパターンが、雇用関係助成金に関しては多数派だと思います。
顧問契約があれば、企業が違法状態にないか、常にサポートすることが可能です。
未払い残業代がないか、36協定を提出しているかなどは助成金に関係なく、委任契約の善管注意義務として必須となります。
その過程で企業の実情にも精通することができ、適法性を確保し、新しい助成金が発表された場合もすぐに対応することが可能となります。
着手金型でも顧問料型でも、成功報酬は20%以下が相場の目安とお考え下さい。

まとめ

以上、見てきたように完全成功報酬制は避けるようにしましょう。
お金が入金されたら、その一部を支払えばいい、というのはあまりにも虫の良すぎる話です。
無理をしてでも助成金を入金させる、完全成功報酬制を標榜する社労士はそのような考えに陥ってしまいます。
また、このような方式では、顧客も「お金がもらえればいいや」というレベルの感覚ですので、実際には帳簿をそろえたりという実務が進まず、結果、受給に結びつかない可能性が高いのです。
当然、労務管理の改善などあり得ません。
事務所によっていろいろな体系があり、選ぶ側も困ってしまいますが、上記をご参考いただければ幸いです。
助成金を有効活用して、企業の成長に結び付けていきましょう。