労務相談を極力しなくても良くするには解雇トラブル編②

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解雇に関して書き進めていますが、皆様どのような感想をお持ちでしょうか?実際はそんなに甘くない、今すぐにでも辞めてもらいたい、という声が聞こえてきそうです。実際に、東京都千代田区のBSP社会保険労務士法人のクライアントからもそのような相談を多数承ります。ただし、急いては事を仕損じる、と肝に銘じてください。遠回りに感じるかもしれませんが、雇用契約、就業規則の重要性から考えていきましょう。

契約関係から解雇を考える

雇用契約も、売買契約などと同じ契約です。一方当事者と他方当事者との、お互いの意思表示の合致により成立いたします。労働者が働きたいと申し出て、企業が承諾することによって成立するのです。
契約関係であれば、解約も双方同意によって成り立つのが原則です。労働者が退職願を提出し、企業が承諾する、逆に、企業が退職勧奨し労働者が同意する、どちらも合意退職と呼びます。
日本は、民主主義の国ですから、契約の自由が存在し、お互いに納得すれば、公序に反しない限り、契約をするか否か、どのような契約をするか、誰と契約するか、そして、いつ解約するかも自由です。
ただし、一方的に解約するとなれば話は別です。労働者側からの「辞職」は最低2週間前までに申し出なければならないことが民法に規定されています。
企業側からの解雇は、というと労働者保護の観点から「客観的に合理的で、社会通念上相当」でなければ無効とされてしまいます。

合理性と相当性

この2つの言葉は多くの法律で用いられます。人間関係の様々なルールを規律するためにはどうしても抽象的な概念が必要となります。
解雇においては、「該当性」と「相当性」と置き換えられます。
「該当性」とは、就業規則に記載されている事項に該当しなければならないという意味です。就業規則に、どのような行為を行った場合に解雇となると記載されていなければ、労働者としても判断基準がわかりません。これを予見可能性と言います。
「相当性」とは、労働契約上の地位を抹消するほどの事柄かどうか、その相当性を言います。

まとめ

上記をまとめると、就業規則に解雇事由をもれなく記載することが重要です。そして、第三者からみて、これは解雇されても仕方がないだろう、と思われるような状態でなければ、解雇は認められないこととなります。
雇用契約書、就業規則また入社時の誓約書も含め、労働者にどのようなことをすれば解雇相当になるのかあらかじめ伝えておくことが、解雇トラブルを防ぐためには重要なのです。
東京都千代田区にございますBSP社会保険労務士法人では、解雇トラブルの労務相談を減らすべく予防法務に力を入れています。後ろ向きの相談ではなく、前向きな相談を是非進めていきましょう。