まとめ!総務部や労務部に役立つ良く分かる労働基準法③

ワオキツネザル

労働基準法第3回目の解説です。大中小企業激戦区の弊社のございます東京都千代田区から日本全国に向けて正しい労務管理を発信したいと考えております。労働基準法の概観を見てまいりましたが、その中でも重要な条項を確認しましょう。労働条件のなかで重要なものと言えば、賃金と労働時間です。労働基準法でいえば第24条と第32条、しっかりと確認していきましょう。

賃金 労働基準法第24条

労働基準法第24条1項には、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。~略~」、第2項には、「賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。~略~」と定められています。
一般に賃金支払いの5原則と呼ばれるもので、①通貨払い②直接払い③全額払い④毎月1回以上払い⑤一定期日払いを指します。
例えば、給与を現物で支払うということは原則許されません。
また、本人以外の代理人に支払うことも許されませんし、勝手に賃金のうちの一部を控除するわけにもいきません。
いつ支払われるのかわからない、というのも従業員としては困ってしまいます。
すべて、従業員の安定した生活を保障するための規定です。ただし。あくまで原則であって、例外もございます。
今は通貨ではなく、銀行振り込みで給与を支払いますが、本人の個別同意が必要です。
また、給与から「親睦費」などを控除する場合は、「賃金控除協定」という労使間の書面での協定が必要となります。

労働時間 労働基準法第32条

次は労働時間規制に関して。労働基準法第32条1項は「使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。」と規定し、第2項で、「使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。」と規定しています。
いわゆる1日8時間、週40時間労働時間制を指します。
「あれ、うちの会社、1日8時間以上働かせているぞ」とお思いになるでしょう。
企業と労働者の代表が書面で協定を交わせば、その限度において、時間外労働をさせることが可能となります。
その労使協定が、労働基準法36条に規定されていることから、「サブロク協定」という呼び名で有名です。

まとめ

まずは重要な賃金と労働時間に関して見てまいりました。ただ、この労働基準法という法律、単に企業側だけに規制をかけているだけではありません。
1947年に制定された際には工場労働を想定して制定されましたが、今は第3次産業(電気・ガス・水道・運輸・通信・小売・卸売・飲食・金融・保険・不動産・サービス・公務・その他)が主流です。
1日8時間労働、そして労働時間に応じて給与を支払うということになじまない職種が増えています。
労働基準法第32条には続きがあり、フレックスタイム制や変形労働時間制を定めています。また、他に裁量労働時間制の定めもございます。
ただし、法律を知らないまま導入しているため、その効力が無効であり、未払い残業代という潜在債務を多く抱えている企業もよく見られます。
東京都千代田区のBSP社会保険労務士法人は、その企業の業種・職種にあった労働時間制や給与体系をご提案いたします。
労働者は働きやすく、給与に納得感を抱き、企業も適法に人件費を節減できるようアドバイスするのが社会保険労務士の使命です。